ハイレベルな「キン肉マン」コスプレーヤーたちの挑戦とこだわり

ハイレベルな「キン肉マン」コスプレーヤーたちの挑戦とこだわり

「キン肉マン」のキャラクターに扮するハイレベルなコスプレーヤーを紹介

コスプレは自宅で気軽に楽しめる趣味であり、アニメやゲーム、マンガの人気を測るバロメーターとしても注目を集めています。コスプレ文化の研究家でライター兼カメラマンのソムタム田井が、イベントに取材、参加して見つけたハイレベルなコスプレーヤーをピックアップ。衣装、ウイッグ、メーク、体づくりなど、キャラクターになりきる上でのこだわりについて聞きました。

ワンダーフェスティバル2024[夏]での取材

世界最大級のフィギュア、造形物の祭典「ワンダーフェスティバル2024[夏](ワンフェス)」は、プロもアマチュアも問わず、誰でも制作したキットを持ち寄って展示、販売できるイベントとして知られています。このイベントで、「キン肉マン」のキャラクターに扮するアムロさん、桃天さん、まりんさんを紹介します。

キン肉マンソルジャー:アムロさん

「キン肉マン」原作45周年、テレビアニメ「キン肉マン 完璧超人始祖編」の放送中というタイミングで、アムロさんは友達と3人で超人血盟軍をコスプレしました。キン肉マンソルジャーに扮するアムロさんは、筋肉スーツに加え、迷彩服もシルエットの再現を意識して制作に当たったと話します。

「マスクは可能な限り小さくして、目は白目部分をメッシュ生地、瞳は磁石で再現しました。迷彩服はハリとシルエットが出るように接着芯を使用し、筋肉スーツもミシンで自作しました。次はアシュラマンを制作し、年末にコスプレする予定です」とアムロさんは語ります。

ブロッケンJr.:桃天さん

ブロッケンJr.に扮する桃天さんは、衣装一式を自作で用意しました。しかし、衣装をそろえてからも「筋肉をどう表現するか?」という点が課題として残っていました。試行錯誤の末、この造形にいきついたと話します。

「帽子の形が特徴的なので、忠実に再現するのに苦労しました。じつは3回ほど作り直していて、今回の衣装の中では一番制作に時間がかかった部分です。軍服は高級感が出るように、首元の飾りは樹脂で制作。肩章はパイピングを施し、服全体の裏地もしっかりと作りました。中に着込んでいる肉襦袢の筋肉が目立つように、袖だけは裏地なしにするなど、シルエットの再現にもこだわっています」と桃天さんは語ります。

ザ・ニンジャ:まりんさん

ザ・ニンジャに扮するまりんさんも、衣装一式を自作で用意しました。あごのデザインと頭巾の組み合わせ方に悩み、最終的にコスボードでヘッドギアを制作し、その上に布を貼り付けることで、頑丈かつ形状を維持できる頭巾に仕上げました。

「首元のスカーフは両端に針金を通すことで、マンガのように立ち上がるデザインにしたのもこだわったポイントです。それともう一点、ザ・ニンジャは片目が黒く、影のようになっているキャラクターなので、スモークがかった下敷きを加工して、そちらの特徴も再現してみました」とまりんさんは語ります。

コスプレの魅力と挑戦

これらのコスプレーヤーたちは、キャラクターになりきるための細部へのこだわりと、試行錯誤の過程を楽しんでいます。衣装の制作からメーク、体づくりまで、それぞれが独自の方法でキャラクターを再現し、イベントでその成果を披露しています。

「ワンフェス」は、衣装や武器などの造形に注力するコスプレーヤーが多いことで知られています。このイベントを通じて、コスプレの魅力と挑戦がより多くの人々に伝わることを期待しています。