フレームレスモニターの意外な弱点:剥がれとその対策

フレームレスモニターの意外な弱点:剥がれとその対策

最近のPCモニターはデザイン性が高く、ベゼル(枠)が狭いものや、フレームがほとんどない製品も増えています。価格は高めですが、スタイリッシュで、マルチモニター環境でも違和感がありません。

しかし、フレームレスモニターの普及に伴い、表面パネルの剥離や落下といったトラブルも報告されるようになりました。これは以前にはあまり見られなかった現象で、実際に起こるとショッキングです。

トラブルの原因はいくつか考えられますが、最も一般的なのは「メーカーが指定した範囲を超えて下に傾けて設置している」ケースです。一般的に、5度を超えて下に向けて傾けることは推奨されていません。最悪の場合、表面パネルの接着がもたず、剥がれ落ちてしまうことがあります。

また、温度や湿度、空気中の化学物質との複合的な反応も影響しています。EIZOが実施した再現実験では、塩素系消毒剤(次亜塩素酸ナトリウム)を頻繁に使用する環境で、接着に用いられている両面テープのポリウレタンが通常の環境より早く劣化することが確認されました。掃除や消毒に使用した薬剤が接着剤に悪影響を与える可能性も考えられます。

特に縦にモニターを並べている場合、上のモニターを少し下に傾けて見やすくしたい場面も出てきます。その場合は、デザインを少し諦めてベゼルのしっかりした製品を選ぶか、自分でテープなどを使用して剥がれ防止措置を取るとよいでしょう。EIZO製品の中には、剥がれ防止ガイドが提供されているモデルもあります。

モニターは高価で、サイズも大きいため、搬入や廃棄にも手間がかかります。起こりうるリスクを事前に把握し、適切な対策を講じて、長く大切に使用したいものです。