バッファロービルズのヘッドコーチ(HC)ショーン・マクダーモットは、現地6日(日)にヒューストン・テキサンズとのアウェイゲームで23対20で敗れた試合の戦術について、厳しい批判にさらされている。
試合の大半でテキサンズに主導権を握られていたものの、ビルズは粘り強く巻き返し、20対20の同点に持ち込んだ。試合終盤、テキサンズがパントを強制され、ビルズは残り32秒で自陣3ヤードから攻撃を再開した。この日、ビルズの地上戦は成果を挙げていたが、クオーターバック(QB)ジョシュ・アレンはキャリア最低のパス成功率30%(30回中9回成功)だった。それでも、ビルズは3回連続でパスを選んだ。その結果、残り7秒でパントにより再びテキサンズにボールを渡すことになった。その後、テキサンズのQB C.J. ストラウドがパスを成功させ、キッカー(K)ケイミ・フェアバリンが試合終了間際に59ヤードの決勝フィールドゴールを決めた。
マクダーモットHCは、テキサンズが3つのタイムアウトを保持していたことが、3回連続でパスを選んだ理由の一つだと説明している。「難しい局面で相手は3つのタイムアウトを持っていたし、優れたフィールドゴールキッカーもいる。われわれは時間を使ってファーストダウンを獲得しなければならなかったが、それができなかった。責任は私にある」と述べた。
ビルズが3回のランで相手にタイムアウトを使わせたところで、結果は同じだったかもしれない。しかし、アレンがキャリア最低のパス成功率を記録するなど、オフェンス全体が終始苦戦していた中で、3回ともパスを選んだことはさらに驚きだった。マクダーモットHCは、「自陣奥深くに追い込まれていて、彼らには3つのタイムアウトがある状況だった。それに、相手には非常に強力なフィールドゴールキッカーがいる」と説明している。
「3回連続でランを選んだとしても、1プレーごとに6秒ずつ消費して、結局同じような状況になっていたかもしれない。いずれにしても、私を筆頭に、自分たちがもっと良いプレーをしなければならない」。少なくとも3回ともランを選んでいれば、テキサンズにタイムアウトをすべて使わせることができ、ストラウドの5ヤードパスからフェアバリンのフィールドゴールまでのプレーはそう簡単にはいかなかったかもしれない。
攻撃コーディネーター(OC)ジョー・ブレイディが3回のパスを選んだことに賛成だったかと尋ねられたマクダーモットHCは、「その話には触れない。それは今の段階で重要ではない」と答えている。「全体として責任は私にある。われわれはもっと良いプレーをしなければならないし、私自身があの状況でもっと良い決断をすべきだった」。
アレンにランプレーをさせるか、せめて自らの足を使う選択肢を与えていれば、15ヤード以上をパス3回で稼ごうとするよりはましな結果になっていたかもしれない。「ジョシュにボールを持たせるのは大好きだ」とマクダーモットHCは述べている。「あの場面では効率的な攻撃が正しいアプローチだったが、私はそれを実行させることができなかった。この失敗から学ぶしかない。繰り返しになるが、難しい状況だった。相手にはタイムアウトが3回残っていたし、強力なキッカーもいた。そのことばかりを考えていた。いま振り返ると、最初のプレーでランを試してみて、そこから状況を見極めるべきだった。どっちにしても、相手にチャンスを与えないようにボールを進めなければならなかった。これらの状況の責任はすべて私にある」。
正直なところ、この試合でのビルズオフェンスの内容を考えると、試合終盤まで競っていたこと自体が信じがたい。総獲得ヤードでテキサンズが425ヤードだったのに対し、ビルズは276ヤードにとどまった。もし第4クオーターにストラウドが2度もターンオーバーを喫していなければ、ビルズは10点差で敗れていた可能性が高い。それだけに、適切な試合運びさえできていれば、オーバータイムに持ち込み、敵地で勝利を狙えたかもしれないという悔いが残る。
「われわれは引き離された状況から巻き返した。特にディフェンスの若い選手たちは奮闘してくれて、3つのフェーズすべてで全力を尽くしてくれた」とマクダーモットHCはコメント。「NFLの試合は僅差の戦いが多い。われわれは引き続き改善に取り組み、何人かの選手は健康を取り戻さなければならない。それが助けになるとは思うが、それは言い訳にはならない。こういう状況でも勝てる方法を見つける必要がある」。